任意売却は、住宅ローンを滞納したときに、債権者の合意を得て不動産を売却する方法です。
しかし、住宅ローンを滞納する前に任意売却をしたいと考える方も多いでしょう。
そこで今回は、住宅ローンをまだ滞納していない状態で任意売却ができるのか、同意を得るのが難しい理由や滞納前に任意売却をするメリットを解説します。
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目次
住宅ローンをまだ滞納していない状態で任意売却はできるのか
結論から述べると、債権者の同意が得られれば、任意売却は可能です。
そのため、住宅ローンをまだ滞納していない状態であっても、許可が下りれば任意売却ができます。
任意売却で重要なポイントは、「抵当権を抹消する同意が得られること」「不動産の売却価格とローン残債の差額」「今後の返済見通し」の3つです。
これらを考慮し、任意売却の手段が適切か判断していきます。
住宅ローンの滞納がまだのタイミングで任意売却をしたいなら、以下の手順を踏む必要があるでしょう。
任意売却ができるかどうかの判断は、債権者である金融機関に委ねられるため、ケースによっては断られる可能性があります。
任意売却ができるまでの手順は、主に3ステップです。
それぞれポイントを確認しておき、任意売却がスムーズにできるよう対策しましょう。
任意売却ができるまでの手順①金融機関に相談する
住宅ローンを滞納していない状態で任意売却を希望する場合、まず金融機関に相談する必要があります。
これまで住宅ローンを遅滞なく返済している場合、金融機関との信頼関係が築かれているため、任意売却の相談は比較的スムーズに進むでしょう。
しかし、金融機関は住宅ローンの支払いを引き続きおこなってほしいと考えることが多いです。
そのため、返済が継続できる見込みがあれば、任意売却の同意を得られない可能性があります。
任意売却ができるまでの手順②金融機関に早期代位弁済を依頼する
早期代位弁済とは、保証会社が債権者に対して、債務者の残債を返済する手続きです。
このタイミングで住宅ローンの返済が止まるため、任意売却の準備を進めます。
手続きが早いほど売却が成功する傾向があるため、売却の意思が固まったら、速やかに準備を進めることが重要です。
任意売却ができるまでの手順③売却活動をおこなう
任意売却は、一般的な不動産と同様に市場で売却することができます。
買主が見つかれば、売買契約を結び、決済・引き渡しへと進むのが原則です。
売却価格は通常、一般的な売却の8〜9割程度が相場となりますが、住宅ローンをまだ滞納していない場合、さらに高い価格で売却できる可能性もあります。
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住宅ローンをまだ滞納していない状態での任意売却がしにくい理由
住宅ローンをまだ滞納していない状態では、任意売却がしにくくなっています。
その理由は、主に以下の3つです。
理由①回収できるはずの金利を得られない
金融機関の主な収入源は、個人や企業にお金を貸し付けて得る金利です。
任意売却により住宅ローンが一括で返済されると、金融機関は定期的に受け取る金利手数料が減少します。
融資をおこなった意味がなくなってしまうため、住宅ローンを滞納していない場合、抵当権抹消の許可が出されないことがほとんどです。
住宅ローンを滞納せず返済できると判断された場合、返済を続けるよう説得されることになります。
理由②担保なしでローンが残る
住宅ローンを組む際には、原則として不動産に抵当権を設定します。
不動産を担保にする抵当権は、基本的に住宅ローンを完済しないと抹消できません。
しかし、任意売却の場合、ローンが完済されていなくても、抵当権抹消の手続きがおこなえます。
任意売却により、住宅ローンが完済されないまま抵当権が抹消されると、無担保の残債だけが残り、金融機関にとっては債権回収のリスクが大幅に高まることになります。
このため、金融機関は住宅ローンを滞納していない限り、任意売却の許可を出さないことがほとんどです。
理由③任意売却では「期限の利益喪失」が必要になる
任意売却をおこなう背景には、「住宅ローンの一括返済を求められた」といった事情があります。
これは、「期限の利益喪失」が起こったからです。
期限の利益とは、住宅ローンを分割で返済する権利を指します。
債務者がこの権利を失うと、以後、早急に残債を一括で返済しなければなりません。
しかし、債務者は完済できる資金を持っていないことがほとんどです。
そのため、資金調達の手段として「任意売却」が挙げられますが、手続きには「期限の利益喪失」が必要になります。
債権者である金融機関は、滞納していない場合には通知をおこなわないため、任意売却の同意を得ることができないことが一般的です。
理由なく任意売却はおこなえないため、住宅ローンの滞納などが判断材料となります。
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住宅ローンをまだ滞納していない状態で任意売却をするメリット
住宅ローンをまだ滞納していないタイミングで任意売却をするメリットは、以下のとおりです。
代表的なメリットを3つ解説します。
メリット①金融機関に相談する時間がつくれる
住宅ローンを滞納する前に金融機関に相談すれば、今後の計画をしっかり考えることができます。
任意売却では、金融機関の「同意」を得るために交渉をおこないます。
この交渉時には、不動産の査定根拠や残債の返済計画などを作成しますが、それらも時間的余裕を持って進めることが可能です。
このように、住宅ローンを滞納していないタイミングで任意売却を考えることで、精神的な余裕を持つことができます。
不動産の任意売却を検討している場合は、早めに金融機関に相談するのが良いでしょう。
メリット②事故情報が残らない
住宅ローンを滞納する前に任意売却をおこなうことで、信用情報機関への事故登録を防ぐことができます。
住宅ローンを3か月以上滞納すると、事故情報が登録され、ブラックリストに載るのが一般的です。
このブラックリストに載ると、新たにクレジットカードを作成できなかったり、キャッシングが利用できなかったりといったデメリットが生じます。
この情報は5年以上残るため、生活に支障をきたす可能性があるでしょう。
住宅ローンを滞納する前に任意売却をおこなうことで、新たなクレジットカードの作成やキャッシングの利用がしやすくなります。
メリット③競売を回避できる
住宅ローンの滞納をそのまま放置していると、競売にかけられるリスクが高まります。
不動産が競売にかけられると、強制的に売却され、退去を命じられます。
住宅ローンをまだ滞納していなければ、競売にかけられる心配はありませんので、早めに手続きを進めることが重要です。
不動産が競売にかけられるのを避けたい場合は、住宅ローンの滞納前に任意売却を検討することが望ましいです。
なお、住宅ローンの滞納から3〜6か月ほどで分割返済の権利を失います。
一括返済に応じなければ、競売の手続きが進みますので、注意が必要です。
競売にかけられた場合、不動産の売却価格は、通常の市場価格の6〜7割程度となります。
不動産が強制的に売却されるだけでなく、手元に残る資金も減少します。
住宅ローンの返済の目処が立たない場合は、早めに金融機関に相談することが重要です。
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まとめ
住宅ローンをまだ滞納していない状態であっても、金融機関からの同意が得られれば任意売却は可能です。
しかし、金融機関が回収できるはずの金利を得られないなどの理由から、合意を得るのは難しくなっています。
住宅ローンの滞納前に任意売却をするメリットは、事故情報が残らないことや競売を避けられることです。
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