住宅の建物部分の価値は、例外なく築年数を重ねるごとに減少していきます。
売却を考えているなら1年でも早く売り出すのがベターですが、取引価格相場の変動状況によっては数年待つ判断が吉と出る可能性もあるでしょう。
今回は、価格相場・築年数・住宅ローン金利の3要素に注目して、空き家の売却に適したタイミングを解説します。
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価格相場から見る空き家売却のタイミング
空き家を売却するとき、多くの方がもっとも気になるのは「いくらで売れるのか」でしょう。
不動産の取引価格の動向は、国土交通省が発表している不動産価格指数を見ることによって把握できます。
不動産価格指数とは
不動産価格指数とは、不動産市場における物件の取引価格をもとに、国土交通省が推計・発表している指標のことです。
住宅用と商業用の2種類があります。
住宅用は「住宅地」「戸建住宅」「マンション(区分所有)」の3つと、それらを総合した「住宅総合」の計4つの折れ線グラフによって、種類別で毎月の取引価格相場の上がり下がりを示しています。
不動産価格指数を踏まえた空き家売却のセオリーとしては戸建住宅のグラフが右肩下がりなら早く売却したほうが得です。
相場の下落が続いている状況から一気に上昇傾向になる可能性は低いため、今よりも価値が下がってしまう前に売却したほうが良いと考えられます。
グラフが横ばいなら、いつ売却しても価格に大差はありません。
そして、グラフが右肩上がりの状況では、売却時期を遅くするとさらなる高値がつく可能性があります。
ただし、右肩下がり・右肩上がりの状況がそのまま長期間続く保証はないため、相場の変動に注目しながら売り時のタイミングを見極めましょう。
不動産価格指数だけでなく、自分が売却を考えている空き家に近しい物件の取引データにも注目する必要があります。
空き家の売却価格相場の調べ方
不動産価格指数は日本全国の不動産を対象とした指標であるため、実際の取引価格は地域ごとに大きな差があります。
自分が所有している空き家の売却価格相場を調べる方法は「インターネットで似た物件の取引情報を探す」「公示地価や基準地価を参考にする」「固定資産税評価額から計算する」などです。
まずは物件情報サイト等を参考に、売却を考えている空き家と似た条件の物件をいくつか探してみましょう。
実際に自分で空き家を売り出すときにも、競合となり得る物件の情報を参考に売り出し価格を設定するため、おおまかな相場が掴めます。
過去の成約データを参照すると、類似物件がいくらで取引されたのかを知ることができます。
しかし、データが古ければ古いほど、現在の相場とは大きく異なる可能性が高まる点には注意が必要です。
土地の価値を知りたいときは、国土交通省が発表している公示地価や、各都道府県が発表している基準地価を参考にする方法もあります。
これらのデータは不動産鑑定士が調査・算出しており、年に一度更新されているため、現在の土地取引価格に近しい情報が得られます。
また、土地の固定資産税評価額から売却時の価値を推測することも可能です。
固定資産税評価額は公示地価の7割程度であるため「固定資産税評価額÷0.7」の式で公示地価に近しい額を求められます。
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築年数から見る空き家売却のタイミング
空き家の売却価格は、建物の築年数によって大きく変わります。
高値での売却を目指すなら、1年でも早く売り出して買い手を見つけたいと思われるでしょう。
なぜなら、一戸建て住宅の建物部分の資産価値は新築時をピークに年々減少していき、築後22年のタイミングでほぼ0になるからです。
築年数ごとの空き家の売却価格の推移
中古一戸建て住宅の平均売却価格は、築年数ごとに以下のように推移します。
●築0~5年:4,146万円
●築6~10年:3,957万円
●築11~15年:3,768万円
●築16~20年:3,457万円
●築21~25年:3,099万円
特に築10年・20年を過ぎたタイミングで、5年刻みでの下落幅が大きくなっていることがわかります。
一般的に新築と呼べる時期が過ぎて、住人自身も建物の劣化サインが気になり始めた頃から売却価格が大きく下がり始めるのです。
空き家を早く売り出すことの重要性
空き家を少しでも高く売却したいなら、価値が下がる前に早急に売り出すことが重要です。
「一戸建て住宅の資産価値は築後22年のタイミングでほぼ0になる」と先述しました。
その理由は、木造一戸建て住宅の耐用年数が22年とされているからです。
住宅の耐用年数とは、その住宅が法的に資産価値を保つ期間のことであり、固定資産税評価額などを算出するための指標になっています。
耐用年数は建物の物理的な寿命とは関係なく、築22年を過ぎたからといってただちに住めなくなるわけではありません。
適切なメンテナンスやリフォームを重ねれば、築22年を過ぎた後も数十年にわたって快適に住み続けることができます。
しかし、住宅の売却価格を算出するうえではほぼ評価されないのが実情なのです。
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住宅ローン金利から見る空き家売却のタイミング
住宅を購入するときは、多くの方が住宅ローンを組むことになるでしょう。
このとき、住宅ローン金利が0.1%変わるだけでも、利子を含めた住宅購入代金に大きな差がつきます。
つまり、低金利のタイミングには住宅購入を考える方が増えるのです。
住宅ローン金利のシステムは2種類
住宅ローンの金利システムは「変動金利制」と「固定金利制」の2種類に大きく分けられます。
変動金利制は、ローンの借入期間中に適用金利が定期的に見直され、その都度市場の動きに応じた金利が適用されます。
一方の固定金利制は、ローンを組んだ時点での金利が一定期間、あるいは完済まで適用され続けるものです。
借入から一定期間(ローンの種類により1~20年)は金利が固定となる当初固定金利と、完済まで固定となる全期間固定金利にさらに分かれます。
フラット35の名前が有名な全期間固定金利のローンは、将来的に金利が下がったとしても恩恵を受けられませんが、大幅上昇時に返済額が増えるリスクも避けられる仕組みです。
住宅の買い手にとっては、住宅ローン金利が低くなっていて購入代金を抑えられるタイミングが、ローンを組みやすい買い時となるでしょう。
すなわち、売り手にとっての「売り時」でもあるのです。
近年の住宅ローン金利の変動状況
2024年に日銀がマイナス金利の解除・利上げをおこなって以来、現在まで住宅ローン金利は上昇傾向にあります。
住宅ローン金利の変動から空き家の売却タイミングを計るなら、金利が今よりも上がる前に売り出すことを検討してみてください。
ベストな売り時を見極めようとすると、慎重になりすぎて適したタイミングを逃してしまうおそれもあるため不利なタイミングでの売却は避けようと考えると良いでしょう。
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まとめ
空き家の売却に適したタイミングは「不動産の取引価格相場」「空き家の築年数」「住宅ローン金利」の3要素を踏まえて見極めることが大切です。
国土交通省が発表している不動産価格指数(住宅用)を参照すると、日本全国における不動産の取引価格相場の変動状況を把握できます。
ただし、住宅の建物部分の価値は築年数を重ねるごとに減少していきます。
取引価格相場や住宅ローン金利の変動状況を気にしすぎるあまり、売り出しのタイミングを逃して築年数を重ねてしまわないよう注意しましょう。
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