農地は売買できる対象者が限られており、売却が難しいものです。
また、農地を売却するときには、通常の不動産売却と同様にさまざまな税金を支払う必要があります。
そこで今回は、農地の売却が難しい理由や農地の売却に必要な税金、農地を売却する方法についてご紹介します。
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農地を売却するのが難しい理由
農地は、一般的な宅地などの不動産と比べて売却が難しいと言われています。
これは、農地の売買そのものに法律上の制限がかけられているためです。
農地法による制限
農地には、農地法に基づき売買に関する制限があります。
法律上、地目が農地である土地を購入できるのは、農業委員会から許可を受けた農家のみです。
これは、すでに農家として認定されている者に限られるため、農業に新たに参入しようとする者は対象外です。
農地の売却が難しいため、需要が低下し、価格や資産価値がさらに下がる悪循環に陥っています。
活用方法が限られる
農地の売却が難しいのは、農地以外の用途で活用することが難しく、活用方法が限られているためでもあります。
農地は都心部や駅などの利便性の高いエリアから離れた場所にあることが多く、宅地としての活用が難しいです。
また、地目が農地のままだと通常は農地以外の用途には使用できません。
都市計画により周辺の開発が制限されていることもあり、農地を購入できたとしても利用方法がないため、敬遠されることが少なくありません。
農地を購入できる方が高齢化している
農地を購入できるのは、農業に従事している農家に限られています。
日本では農家の高齢化が進んでおり、これが農地の売却を難しくしている要因の一つです。
若くて体力のある方であれば農地を購入して田畑を広げる意欲がある場合もありますが、高齢者は土地を購入して新たに耕作を始める体力がありません。
農家の後継者が少ないため、購入した土地が無駄になってしまうことがあります。
農家であれば購入した農地に住宅を建てることもありますが、高齢になってから利便性の低い土地に住宅を建てる人はほとんどいません。
そのため、購入者の候補が高齢者ばかりになり、農地の売却は難しくなっています。
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農地を売却するときに必要な税金
不動産を売却するときは、さまざまな税金の支払いが必要になります。
農地を売却するときもそれは同様であり、通常の不動産売却のようにさまざまな税金が必要です。
農地の売却にかかるおもな税金は、譲渡所得税、印紙税の2種類になります。
譲渡所得税
譲渡所得税は、農地などの不動産を売却して得た利益にかかる税金です。
農地の売却代金は税制上、すべてが利益として計算されるわけではなく、取得費や譲渡費用を引いた残りが課税対象となる譲渡所得になります。
譲渡所得税には、この譲渡所得にかかる所得税と住民税が含まれ、復興特別所得税も一時的に必要です。
これらの税率は、農地を所有していた期間によって異なります。
農地を所有していた期間が5年以内であれば短期譲渡所得が適用され、所得税は30%、住民税は9%、復興特別所得税は0.63%、合わせて39.63%となります。
一方、農地を所有していた期間が5年を超える場合は長期譲渡所得が適用され、所得税は15%、住民税は5%、復興特別所得税は0.315%、合わせて20.315%です。
取得費を計算する際、農地の購入費用が不明であれば、売却代金の5%と仮定して計算する必要があります。
印紙税
印紙税とは、不動産の売買契約書などの課税文書に課される税金です。
不動産を売却する際は、契約書に記載された売却代金に基づいて印紙税の金額が決まります。
該当の金額に応じた収入印紙を郵便局などで購入し、契約書に貼り付けて押印することで納付できます。
契約書は通常、売主用と買主用の2部が作成されるため、それぞれに印紙税がかかるでしょう。
印紙税は、売主と買主がそれぞれ負担するのが一般的です。
農地売却の税金に適用される特別控除
農地を売却した際、譲渡所得税などの税金に対して特別控除を利用できる場合があります。
農地を転用せずそのまま売却した場合、税金に対して800万円特別控除、1,500万円特別控除、2,000万円特別控除が適用可能です。
農地を転用して売却する場合、農地収用交換の5,000万円控除を利用できる可能性があるでしょう。
800万円特別控除は、農地利用集積計画に基づき、農業委員会を通じて農地中間管理機構に譲渡した土地に適用されます。
1,500万円特別控除と2,000万円特別控除は、農用地区域内にない農地にも適用でき、農地中間管理機構に譲渡した土地にも適用されます。
5,000万円特別控除は、農地転用した土地が土地収用法によって買い取られた場合に適用される税金の控除です。
実際に農地を売却して税金の控除を受けるには、さまざまな条件を満たす必要があります。
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農地を売却する方法
農地を売却するためには、農地のまま売却する方法と農地の用途を変える農地転用をして売却する方法の2種類があります。
どちらも所定の手続きが必要になるため、農地の売却は決して楽ではありません。
農地のまま売却する方法
地目を変更せず、農地のまま売却する場合、まずは購入してくれる農業従事者を探す必要があります。
農地の売却には農業委員会の許可が必要ですが、売却相手が決まっていないと許可を取得することができません。
そのため、許可を得る前に売買契約を結び、許可を得てから引き渡すことを契約条件に含めておく必要があります。
売買契約を締結したら、農業委員会に売却の許可申請をおこないましょう。
許可が下りる前に、所有権移転請求権の仮登記をおこない、次の所有者が買主であることを登録しておきます。
農業委員会から許可が下りたら、本格的に所有権移転登記をおこない、農地の所有権を売主から買主に移転させます。
売却代金を受け取り、農地を引き渡したあと、翌年に確定申告をして税金を納めれば、売却は完了です。
農地転用して売却する方法
農地の地目を別のものに変更し、農地転用して売却する方法があります。
農地を宅地や駐車場、資材置き場など、農地以外の用途で利用したい場合は、農地転用を済ませておく必要があります。
まず、農地の売買取引の経験が豊富な不動産会社に相談し、買主を探しましょう。
農地の取引に実績がある不動産会社であれば、転用許可の申請手続きがスムーズに進む可能性が高いです。
次に、農地のまま売却する場合と同様に条件付きで売買契約を結び、農業委員会に転売許可と転用許可の申請をおこないます。
転用許可申請は農地法第5条に基づいておこなわれますが、実際に許可が下りるかどうかには細かい条件があるため、事前に確認が必要です。
また、不要なトラブルを避けるために、許可が下りる前に所有権移転登記の仮登記を行っておきます。
農業委員会から転売と農地転用の許可が下りたら、所有権移転登記をおこない、代金を清算して土地を引き渡します。
最後に、確定申告と税金の納付を済ませれば、売却手続きは完了です。
立地や土地の条件によっては、農地転用が許可されないケースもあるため、事前に該当するかどうかを確認する必要があります。
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まとめ
農地を売却するのは、買主が農業従事者に限定され、高齢化が進んでいることから難しい傾向にあります。
農地の売却では通常の不動産売却同様税金がかかり、控除を利用するには特別な条件が必要です。
なお、農地をそのまま売却するのであれ、農地転用して売却するのであれ、農業委員会から許可を取得しなければなりません。
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