不動産を所有していると発生する税金が、固定資産税です。
固定資産税が支払えない状況になってから不動産を手放すことを決めた場合、売却は可能なのか気になる方もいるでしょう。
そこで今回は、固定資産税を滞納するとどうなるのか、また滞納中でも不動産を売却できる条件と方法を解説します。
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固定資産税を滞納するとどうなるのか
不動産を所有していると毎年かかる固定資産税ですが、収入の減少などにより支払いが困難になるケースもあるでしょう。
固定資産税を滞納すると、督促、差し押さえ、競売の順に不動産の扱いが決まっていきます。
督促状が届く
固定資産税は、納付通知書が届いてから指定された期日までに支払いをしなければいけません。
期日までに支払わなかった場合は、納付催告書や督促状が届きます。
期日から1日でも過ぎると延滞金が発生するため、注意が必要です。
延滞金は各自治体によって異なりますが、東京都の場合は期限の翌日から1か月以内は2.6%、1か月超は8.9%と定められています。
財産が差し押さえられる
督促状が届いても滞納を続けた場合、財産が差し押さえられます。
差し押さえが執行される場合は、内容について通知する「差押調書」が届きます。
調書に期日が記載されていれば、期日までの支払いにより差し押さえの回避が可能です。
一方「即時」と記載されている場合は、猶予なく差し押さえが執行されます。
差し押さえは給与や銀行の預貯金から始まるのが一般的です。
給与の差し押さえが決定した場合は職場に「債権差押通知書」が届き、滞納を職場に知られてしまうリスクがあります。
給与や預貯金の差し押さえで滞納金額を満たせない場合は、さらに車や家財、不動産が差し押さえの対象となります。
公売にかけられる
不動産が差し押さえられると、最終的には公売にかけられ、所有権を失うことになります。
公売とは、競売のようなオークション形式で不動産を売却し、滞納した税金に充てることです。
東京都主税局で公開している「公売情報」を見ると、不動産や車などが入札されており、不特定多数の方が落札できるシステムになっています。
税金の滞納による公売は裁判所の許可が不要であり、決定すると速やかに執行されます。
住居が公売にかけられた場合は、退去し、新たな住まいを探さなければいけません。
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固定資産税を滞納した状態で不動産を売却する際の条件
固定資産税を滞納した状態の不動産であっても、売却することは可能です。
ただし、不動産の条件によって、売却の手続きが異なります。
ここでは、不動産の差し押さえ前と後に分けて売却の条件を解説します。
不動産の差し押さえ前
固定資産税を滞納すると、最短では10日ほどで差し押さえの通知が来ます。
通知が来る前は、不動産の登記事項証明書に差し押さえの記載がないため、自由に売却ができます。
しかし、滞納中はいつ差し押さえられるかわからない状態である点には、注意が必要です。
自治体は滞納者への通知義務や承諾の必要なく、強制的に差し押さえを執行できます。
売却活動の途中で不動産を差し押さえられると、解除手続きをするまで売却ができなくなります。
売却による滞納分の支払いを検討している場合は、早めに行動することが大切です。
不動産の差し押さえ後
不動産を差し押さえられると、登記事項証明書に記載されるため、購入希望者にも滞納を知られることとなります。
役所に相談し、差し押さえを解除してもらうまでは不動産の売却はできません。
解除手続きのためには、税金の滞納分を支払う必要があります。
滞納分の支払いが難しい場合には、以下のような形で相談に応じてもらえるケースがあります。
●減免
●分割払い
●換価の猶予
災害被害などの特別な事情がある場合には、減免措置を得られるケースもあります。
過去には、多くの方が経済的な影響を受けたコロナ禍において特例猶予制度が実施されたこともありました。
税金の納付により生活の維持が困難になると判断された場合では、売却や差し押さえの猶予が認められる換価の猶予が適用されるケースもあります。
ただし、現状税金の支払い能力がない状態から差し押さえの解除をしてもらえる可能性は低いです。
可能な限り、税金を滞納する前に役所へ相談に行くことがおすすめです。
誠意をもって支払い意思を示せば、情状酌量が受けられる可能性が高まります。
また、自己破産したとしても納税義務は免除されない点にも注意が必要です。
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固定資産税を滞納した状態で不動産を売却する方法
不動産の売却方法には、さまざまな選択肢があります。
固定資産税を滞納している場合は、支払い見込みによって注意するべき点が異なります。
また、税金を滞納している場合、同時に住宅ローンが支払えなくなっているケースが多いため、それに対応した売却方法を選ぶ必要があるでしょう。
ここでは、2つのケースに分けて売却方法を解説します。
売却により固定資産税と住宅ローンを支払えるケース
不動産を売却すれば固定資産税と住宅ローンの両方を完済できるケースでは、問題はそれほど大きくありません。
売却代金だけでは足りなくても、預貯金や親族からの援助により完納できるケースもこれに当てはまります。
この場合は、一般的な売却と同様、不動産会社に仲介もしくは買取を依頼するなどの売却方法が選べます。
売却後も家に住み続けたい場合は、親族間売買やリースバックの選択肢を検討できるでしょう。
親族間売買では親などの親族に不動産を売却し、その後も住まわせてもらう方法を選べますが、贈与税がかかるケースがある点には注意が必要です。
リースバックは、買い取った不動産会社と賃貸借契約を結び、家賃を支払って住み続ける方法を指します。
固定資産税と住宅ローンはどちらも延滞により発生するペナルティーがある点に注意が必要です。
ペナルティーが予想以上に高くなっている可能性も考えられるため、支払総額を詳細に計算し、確実に完納できるかを確認しましょう。
不動産を売却しても固定資産税や住宅ローンを完納できないケース
固定資産税の滞納金や住宅ローンの残債が不動産の売却代金を上回る場合は、オーバーローンと呼ばれる状態になります。
この場合、任意売却の選択肢があります。
任意売却とは、金融機関の承諾を得て抵当権を外し、不動産を売却することです。
任意売却における売却活動は、一般的な不動産売買と大きな違いはありません。
任意売却後は、売却代金を差し引いたローン残債の支払いを続けることが必要です。
住宅ローンを滞納したままにしていると、家は競売にかけられ強制的に退去を求められる形になります。
一方で、任意売却を選択すれば、金融機関との相談のもとで無理のない返済計画の見直しができる可能性があります。
金融機関によってはリースバックに応じてもらえ、転居の必要がないケースもあるでしょう。
また、競売にかけられる場合よりも市場相場に近い価格で売却できる点も、任意売却のメリットです。
固定資産税と住宅ローンのどちらも、支払いが難しくなった時点で早めに相談に行くことが大切です。
役所や金融機関に早期に相談へ行けば、公売や競売により強制的に住居を失う事態を避けられるでしょう。
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まとめ
固定資産税を滞納すると、督促、差し押さえ、競売の順に手続きが進んでいきます。
固定資産税を滞納した状態で不動産を売却する条件は、差し押さえ前と後では異なるため注意が必要です。
売却する方法は親族間売買やリースバック、任意売却などさまざまな選択肢があり、税金や住宅ローンの支払い見込みによって決定すると良いでしょう。
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