近年「空き家問題」が社会的に大きな課題となっており、増え続ける「空き家」をどうするか、さまざまな方面で対策がとられています。
「空き家問題」は決して他人ごとではなく、実際に相続などで空き家を所有しており、その対応に困っている方も少なくないでしょう。
今回は、空き家問題とはそもそも何か、空き家問題の原因と対策についてご紹介します。
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空き家問題とは
空き家問題とは、余剰な住宅の発生と、その管理不全に関する問題です。
空き家問題は、全国的に発生している人口減少や高齢化、人口の都市部への集中などによって引き起こされているといわれます。
空き家の定義としては、平成26年に交付された「空家等対策の推進に関する特別措置法」において「建築物、それに付随するものが居住または使用されていないもの」と定められています。
空き家とは、誰も住んでいない、使っていない、放置された物件を指し、売却中の物件や、入居者を募集中の賃貸物件であっても、実際に居住や使用がされていない場合は空き家に該当します。
その地域に空き家が多くなると、街の活気が失われてしまうだけでなく、放置された空き家が街の景観に悪影響を与えたり、街の安全を脅かしたりするといっても過言ではありません。
とくに、保安上・衛生上のリスクが高いとみなされる空き家は「特定空家」に指定されます。
特定空家に指定される条件は、以下のとおりです。
●倒壊など著しく保安上危険となるおそれがある
●著しく衛生上有害となるおそれがある
●適切な管理がおこなわれないことにより著しく景観を損なっている
●その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である
特定空家に指定されると、固定資産税減税の特例措置が解除されたり、代執行により取り壊されたりする場合もあります。
空き家の現状
2023年10月1日における日本の総住宅数は6,504万7,000戸で、2018年とくらべて4.2%増加しています。
総住宅数のうち、空き家は900万2,000戸で、2018年の848万9,000戸とくらべると、51万3,000戸の増加で、過去最多の数です。
総住宅数における空き家の割合は13.8%で、2018年の13.6%から0.2ポイント上昇して、こちらも過去最高です。
空き家の数は一貫して増加傾向にあり、1993年から2023年の30年間で約2倍の数です。
空き家数のうちで、賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家は385万6,000戸で、総住宅数に占める割合は5.9%です。
空き家のうち、一戸建ては352万3,000戸で39.1%、共同住宅が502万9,000戸で55.9%です。
一戸建て住宅の空き家の約8割が、賃貸・売却用や二次的住宅を除く空き家であるのに対し、共同住宅の空き家の約8割が賃貸用の空き家です。
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空き家問題の原因
空き家問題を解決するためには、まず空き家問題が発生する原因を探る必要があります。
ここからは、空き家問題の原因についてご紹介します。
高齢化社会問題
空き家問題の大きな原因として、自宅を所有する高齢者が、子どもの家に同居する、老人ホームなどの高齢者住宅に転居するケースが増えていることが挙げられます。
高齢者の数は急激に増えており、身体の衰えや認知症などの理由で、高齢者のみで生活するのが困難になっている世帯は多いです。
そのような高齢者の増加にともなって、空き家も年々増加していきます。
とくに、駅からも遠く、利便性の良くない地域にある住宅街などは、空き家が急激に増えていくおそれもあります。
管理の問題
空き家の多くは、高齢者が以前住んでいた自宅や、親から子へと相続された実家などです。
高齢の親が老人ホームなどに入居したり、子どもの家に同居した結果自宅が空き家になったりした場合、その自宅を管理するのが難しい点も空き家問題の原因です。
親はいつかは家に戻りたいと考えている、荷物を整理するのが面倒などの理由から、子どもが売却をすすめても同意しない親はいらっしゃいます。
しかし、実家が遠方にある場合、頻繁に行くのは困難なため、どうしても管理ができない状態となってしまうのです。
ほかにも、実家を相続したものの、その処分について兄弟姉妹間で意見が合わないため、空き家が放置されたままのケースもあります。
中古住宅の需要が少ない
空き家問題の原因のひとつに、中古住宅の需要が少ない点があります。
マイホームを購入する場合、新築住宅のほうが中古住宅よりも需要が高いため、新築住宅の供給数も多くなる傾向にあります。
住宅全体に対して、中古住宅の比率は14.7%と低くなっており、中古住宅の需要は少ないといえるでしょう。
誰も住まなくなった家を売却したくても、中古住宅の需要自体が少ないと、売却が難しく、その結果として空き家のままで放置することになってしまいます。
また、戦後の日本では新築住宅の購入を進める政策がとられていたことや、現在でも新築住宅では住宅ローンの控除が受けられる、給付金をもらえるなどの優遇があるのも原因です。
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空き家問題の対策
社会的にも問題となっている「空き家問題」に対して、行政や民間でもさまざまな対策がとられるようになりました。
ここからは、空き家問題の対策についてご紹介します。
空家対策特別措置法とは
増え続ける空き家問題への対策として、平成27年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行されました。
一般的には「空家対策特別措置法」と呼ばれており、所有者の義務である空き家の適正管理をしない所有者に対して、市町村が助言や指導、勧告、命令をおこなえます。
行政からの連絡はおもに郵送でおこない、それでも管理状況に改善がみられない、行政への連絡がない場合は、行政職員が直接訪問するケースもあります。
特定空家に指定されると、固定資産税の減税措置が受けられず、これまでとくらべて最大で6倍の固定資産税が課せられる場合があるので注意が必要です。
また、特定空家に指定されたあと、自治体からの勧告を受けて、命令にしたがわなかった場合、罰則が科せられる可能性があります。
空き家バンクを活用する
空き家バンクとは、自治体や、自治体から委託された団体に運営されているもので、空き家の所有者と購入希望者をマッチングする仲介システムです。
空き家バンクは、これからますます増加が予想される空き家問題への対策として、今注目を集めています。
空き家バンクの特徴は、不動産会社のように営利目的ではないため、所有者にとっても購入希望者にとっても気軽に利用しやすい点です。
空き家バンクを利用すれば、空き家の情報がより広く伝わり、家を探している方により伝わりやすくなります。
近年では、AIを活用したものもあり、従来よりもよりスピーディに空き家のマッチングが可能になりました。
空き家を売却する
空き家問題の対策として、空き家を売却する方法があります。
空き家を売却してしまえば、不動産の維持にかかるコストも不要になり、固定資産税を支払う必要もありません。
空き家を売却する方法として、家をそのまま売却する方法と、解体して土地を売却する方法があります。
売却を検討しているなら、不動産会社に査定を依頼して、仲介契約を結ぶ不動産会社を選びましょう。
スムーズな売却を目指すなら、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要なので、不動産会社のサービス内容も含めて、しっかりと相談して選ぶことをおすすめします。
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まとめ
空き家問題とは、余剰な住宅の発生とその管理不全に関する問題で、2023年の日本の総住宅数6,504万7,000戸のうち、空き家は900万2,000戸と過去最多です。
空き家問題が発生する原因として、高齢化社会、空き家管理の難しさ、中古住宅の需要が少ない点があります。
空き家問題のおもな対策は、空き家対策特別措置法による勧告、空き家バンクを活用する方法、空き家を売却する方法です。
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