空き家を所有していると、自分が知らないうちにトラブルが発生していないか心配になることがあります。
とくに、空き家での火災は大きなトラブルになることから注意が必要です。
そこで今回は、空き家で火災が発生する原因と火災を防ぐための対策、火災が発生した場合の空き家所有者の責任を解説します。
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空き家で火災が発生する原因
空き家で火災が発生する原因はいくつか考えられます。
具体的な原因を把握し、火災の対策へつなげましょう。
原因①タバコのポイ捨て
空き家で火災が発生する原因としてよくあるのが、通行人によるタバコのポイ捨てです。
とくに乾燥した時期であったり道路の近くに燃えやすい紙くずなどが散乱していたりする場合には、小さなタバコの火が空き家全体を燃やしてしまうことがあります。
また、空き家では雑草が放置され、枯れた雑草に落ちたタバコから火が燃え広がるケースも珍しくありません。
原因②ガス漏れ
誰も住まない空き家では、ガス管や水道管などが劣化しやすい特徴があります。
長期間使われていないガス管で劣化が進むと、ガス漏れが発生しガスに引火して大きな火災となる場合があります。
誰かが住んでいればガス管の劣化が生じにくいのはもちろんのこと、ガスが漏れていたらにおいで気付きやすく、すぐに対応可能です。
しかし、誰も住んでいない空き家では、ガス漏れが原因の火災が発生しやすく、すぐに対応できないこともあります。
原因③配線トラブル
漏れたガスへの引火原因となりやすいのが、電気配線のトラブルです。
配線が劣化し火花が出る以外に、空き家に住み着いた小動物が原因で配線トラブルが起こることがあります。
ねずみなどの小動物は、室内のさまざまな場所をかじって損傷させてしまいます。
電気配線もねずみの被害を受けやすい場所で、かじられた場所から火災が発生することがあるので注意が必要です。
原因④放火
タバコのポイ捨て・ガス漏れ・配線トラブルは、故意によるものではなく不注意やメンテナンス不足による事故です。
その一方で、放火といった火災は、空き家で起こりやすい故意による被害です。
放火は居住中の家よりも空き家で発生しやすいですが、とくに狙われやすい家には共通する特徴があります。
放火の標的になりやすい空き家の特徴は、まず周囲に他の家がなく人目につきにくいことです。
また、門が設置されていない空き家や、門があっても開きっぱなしの場合には、放火犯に狙われやすくなります。
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空き家で火災を防ぐ対策
空き家では、タバコのポイ捨て・ガス管や配線のトラブル・放火などが原因で火災が起きやすくなります。
所有する空き家で火災を防ぐためにも、具体的な対策をチェックしましょう。
対策①日常的な管理をおこなう
空き家で火災を防ぐ基本的な対策となるのが、日常的な管理です。
定期的に空き家を訪れて管理をおこなうと、ガス管や配線の異常に対して早期対応が可能です。
また、庭の雑草やゴミを掃除すれば、万が一タバコのポイ捨てがあっても火災につながりにくくなります。
もちろん、外から見て空き家と判断されない程度に手入れをおこなうことは、タバコのポイ捨て自体を防止するのに役立ちます。
具体的な管理としては、室内外の清掃・ポストのチラシ回収・庭の手入れなどをおこないましょう。
対策②不審者の侵入を防ぐ
空き家を放火被害から守るには、門を閉じるとともに玄関・窓もしっかり施錠することが大切です。
簡単に侵入できる空き家は放火犯に狙われやすいことから、まずは侵入を許さないことがポイントとなります。
また、戸締まりだけでなく、人感センサー式の照明を取り付けることも、不審者の侵入を防ぐための手段です。
誰も住んでいなくても明かりがつけば、人の気配を感じて不審者が侵入しにくくなります。
対策③ご近所さんとの関係を良好に保つ
空き家に異変や問題があった場合にすぐ連絡をもらえるよう、ご近所さんとの関係を良好に保つことも火災対策のひとつです。
不審者が空き家をのぞき込んでいた、誰かが出入りしていた、燃えやすいゴミが散乱しているなど、火災につながる異変があった場合、ご近所さんからの連絡ですぐに対応できます。
空き家が原因でご近所さんに迷惑をかけることがないよう、普段から適切なメンテナンスをおこない挨拶などを心がけることが大切です。
対策④管理業者に依頼する
所有している空き家が遠方にある場合、自分で定期的に訪問してメンテナンスをするのが困難になります。
もちろん、空き家の近くに住んでいても、忙しい方であれば定期的なメンテナンスは難しいでしょう。
自分で管理ができないならば、管理業者に日常的な管理を依頼するのがおすすめです。
管理業者に見回りと燃えやすいゴミなどの処分を依頼し、火災リスクを減らしましょう。
また、空き家の目立つ場所に管理会社の看板を設置すれば、管理されていることを周囲にアピールできます。
管理が行き届いた空き家は、放置された空き家と比べて放火の被害が発生しにくいことが特徴です。
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空き家で火災が発生した場合に所有者の責任はどうなる?
空き家で火災が発生する原因と対策を把握しても、さまざまな条件が重なり火災が発生することがあります。
万が一に備えて、空き家の所有者が負う責任についてチェックしておきましょう。
原則として失火に賠償責任はない
民法では、故意や過失によりほかの方の権利や利益を侵害した場合、損害賠償責任が生じるとされています。
そのため空き家での火災には損害賠償責任が生じると解釈できますが、これを否定するのが失火責任法です。
失火責任法においては、損害賠償を定めた民法の規定は失火の場合には適用されないとしています。
そのため、原則として空き家で火災が発生したとしても、空き家の所有者に損害賠償責任が発生することはありません。
ただし、失火責任法には続きがあり、失火者に重過失があるときはこの限りではないとされています。
失火法が定める重大な過失とは?
重過失が認められる場合には、空き家の所有者に損害賠償責任が生じます。
どのようなものが重過失に該当されるかは、判断がわかれるのが実情です。
しかし、火災発生を予見できたとともに、その危険を回避しなかった場合には、重過失があると認められる可能性があります。
具体的には、放火のなかでも空き家の管理不足で不審者が簡単に室内に侵入できる場合、重過失と認められるかもしれません。
このほかにも、空き家のメンテナンスが不十分でさまざまなトラブルを放置していると、防げた火災が発生したとして損害賠償責任を負うリスクがあります。
重過失が認められ損害賠償責任が生じた場合、その賠償金は高額になります。
法的な責任がなければ何もしなくて良い?
空き家の所有者に法的な責任が生じなかったとしても、近隣の住宅に延焼した場合には道義的責任があります。
火元となった空き家の所有者は、火災被害を受けた方に対してお詫びをする必要があります。
このお詫びにはある程度の出費が必要ですが、一部の火災保険はこうしたリスクに対応可能です。
火災保険には、自宅だけを適用範囲とするだけでなく、近隣の住宅を適用範囲とする類焼損害補償特約があります。
基本的に類焼損害補償特約は空き家には適用されませんが、一定の条件を満たせば空き家でも加入できる場合があります。
空き家で加入する火災保険の内容の見直しなどを視野に入れて、空き家の管理を考えましょう。
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まとめ
空き家では、タバコのポイ捨て・ガス管と配線のトラブル・放火などが原因で火災が発生します。
空き家での火災を防ぐには、定期的な管理で燃えやすいものを掃除し、放火犯を寄せ付けない対策が必要です。
重過失がなければ空き家での火災について所有者に責任はありませんが、空き家の管理不測などが認められた場合には多額の賠償金が必要になります。
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